2022年 12月 09日
失敗からの新発見「黒皮鉄ペイント」

日曜日に録画しているテレビ番組ふたつ
「日曜日の初耳学」
「情熱大陸」
「日曜日の初耳学」の特集コーナー「インタビュアー林修」が大好きです。
登場するゲストと林先生の対談は哲学書をまるっと一冊読んだような、そんな気分に浸れる指南書的番組です。
「情熱大陸」では、この番組で初めて知ってファンになってしまった達人も多数。
誰もが知っている有名人の回もありますが、こんな人がこの日本にいたなんて!
番組を見た後にその人をネット検索してしまう感動回も多々。
「情熱大陸」のオープニングテーマ曲が流れる度に激情します。
毎週日曜日、この2番組だけは見逃せない。
その道を突き進む人たちの信念や心がけていること。
全部ぜんぶ教えてほしい!
今週は偶然、どちらの番組にも「失敗」というワードが出てきました。
「初耳」では、ゲストの「秋元康」さんが「失敗は成功の影に隠れているだけ」という話をされていたし、「情熱」では仙台育英高校の「須江航」監督が登場。
冒頭から、早速こんなひと言が飛び出しました。
「やっぱり成功じゃ人は成長しないっすね」
甲子園で日本一になった後、地方戦でライバル校に敗戦。
しかし、新チームが強くなるためにはこの試合に負けてよかったのだという。
失敗は成功の礎。
ムクムクと湧き上がる悔しさ、成長には闘争心や目標が必要なんですね。
失敗が気付かせてくれること。
それは私たちの何気ない日常の中にも沢山潜んでいます。
先日の「黒皮鉄ペイントワークショップ」でも、成功だけでは見つけられなかった発見がありました。
WS最終日の5日目。
それは、塗料「黒皮鉄」を全面に塗り、スポンジで叩いて刷毛跡を馴染ませる最初の工程でおこりました。
「黒皮鉄ペイント」は研磨後下地の凸凹が浮き出るので、限りなくフラットにすることが重要です。
そう思っていたのはこの時まで。
「スポンジで叩いてたらザラザラしてきました!」
参加者NさんとUさんが言うので見てみると、もう手の施しようがない状態に。
このままもう磨いちゃいましょうと、塗装面を磨いてみると
ザラザラがめちゃいい感じに出ましたね・・・!
「黒皮鉄ペイント」の新たな発見です!
なぜそうなったのか、早速実験して再現してみることに。
塗装面をスポンジでポンポンしただけではザラザラとはなりません。
ヒントはNさんとUさん、ふたり同時にザラついたこと。
そういえば作業中、おしゃべりがとても弾んでいましたね。
口を動かすことに忙しくて手がスローに・・・
何度も何度もスポンジで同じ場所を叩いていたような気もしてきました(笑)。
もしかしてお喋りしているうちに塗装面が半乾き・・・
いや8分乾きくらいになっていたのでは。
ひたすら同じ箇所をスポンジでポンポン・・・
もしや。
装面をあえて乾燥させ切らず、スポンジを押し当ててみました。
塗装面が荒れて毛羽だってきました。
NさんとUさんの「ザラザラ」も、研磨前はこんなかんじでしたね。
「スポンジ押し当ての術」のフラットバージョンです。
乾燥一歩手前でやるのがベストタイミング。
半乾きではこうはいきません。
刷毛でところどころに凸アクセントも加えました。
毛羽だった部分がザラザラと浮き立ってきました。
NさんとUさんの失敗からヒントをもらった新ペイント誕生!
名付けて
「スポンジ押し当てケバケバの術」!
金具はアイアンペイント「アンティークゴールド」で着色しました。
今回のように粗い表面を作った場合は光沢がまだらに分散されて無骨な風合いに。
ベース作りでテクスチャーを仕込んでおく発想はありませんでしたね。
まだまだ知られざる可能性が潜んでいそうです^^
今回の「黒皮鉄ペイント」新発見は、NさんとUさんの失敗がなければ得られなかったもの。
